【必修問題】成人期

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【必修問題】人間のライフサイクル各期の特徴と生活

看護師国家試験出題範囲 目標Ⅱ.看護の対象および看護活動の場と機能について基本的な知識を問う。の『大項目』中に「人間のライフサイクル各期の特徴と生活」があり、『中項目』には今回のタイトルである「成人期」があります。小項目として問われる内容は以下のとおりになります。

  • 社会的責任と役割
  • 生殖機能の成熟と衰退
  • 基礎代謝の変化

成人期(せいねんき)とは、発達が完了し、老化が始まるまでの期間と定義されています。
医学的には20歳前後から60歳前後までと定義されることが多いが、具体的な年齢や区分は社会的背景や研究者によって異なります。
日本の法律では20歳以上を成人年齢と定めており、2018年の改正民法施行に伴い、2022年4月1日から18歳に引き下げられる予定です。

エリクソンの発達課題

成人初期:親密性

壮年期:生殖性(子供を産み育てる=子供の世話、親の世話)

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社会的責任と役割

ハヴィガーストの発達課題

壮年期

  • 配偶者の選択
  • 結婚相手との生活の学習
  • 家庭生活の出発「第一子をもうけること」
  • 子どもの養育
  • 家庭の管理
  • 就職
  • 市民的責任の負担「家庭外の社会集団の福祉のために責任を負うこと」
  • 適切な社会集団の発見

中年期

  • 大人としての市民的社会的責任の達成
  • 一定の経済的生活水準の確立と維持
  • 十代の子どもたちが信頼できる幸福な大人になれるよう援助すること
  • 大人の余暇活動を充実すること
  • 自分と自分の配偶者をひとりの人間として結びつけること
  • 中年期の生理的変化を理解しこれに適応すること
  • 老年の両親への適応

生殖機能の成熟と衰退

壮年期には生殖器の発達が完了し、性機能が高まり安定します。しかし、女性の場合、性機能は壮年期をピークに徐々に低下し、卵巣機能も低下して停止していきます。この時期を更年期といい、閉経前後の5年間に相当します。日本産科婦人科学会が発表している日本の閉経年齢は、約50歳です。

20歳頃(青年期)
身体の発育が安定し、生殖年齢と筋力がピークに達する。この時期の身体能力が、将来の基礎体力となる。しかし、遺伝的要因に加え、食事や職場環境、生活習慣の変化など社会的要因の影響も受けます。

30~60歳頃(壮年期)
心身ともに充実した時期である一方、年齢とともにさまざまな機能が徐々に低下し始めます。特に、40歳を超えると運動や視力などの身体機能の低下を自覚し始め、60歳を超えると生活に影響を及ぼす明らかな老化現象が見られるようになります。

更年期

エストロゲンの減少とゴナトトロピン分泌の増加により、性ホルモンのバランスが乱れる。また、ホルモンと自律神経の統合中枢である視床下部も影響を受け、自律神経失調症などの更年期症状が現れます。

壮年期の危機

ワーカホリック(仕事中毒):生計を立てるための手段であるはずの職業に、私生活の多くを犠牲にして専念している状態を指します。

燃え尽き症候群(バーンアウト):バーンアウト症候群とは、厚生労働省の健康用語辞典によると、「それまで一つのことに打ち込んできた人が、極度の心身の疲労により、燃え尽きたように意欲を失い、社会に適応できなくなる状態」と定義されています。

空の巣症候群子どもが家を出るときや結婚するときに、多くの親が感じる抑うつ的・不安的な苦痛の総称です。子育ての終盤、子供が家を出る頃に症状が現れることが多いため、このように呼ばれています。また、燃え尽き症候群や5月病とも類似しています。子供が独立し、夫が仕事で忙しく世話ができなくなり、夫婦生活が成り立たなくなり、夫の定年が近づくと、夫婦が退職してすぐに離婚する傾向が見られることがあります。

サンドイッチ症候群:主に中間管理職が上司と部下の間に挟まれ、疲弊して心身を病んでしまう状態です。

基礎代謝の変化

基礎代謝とは、人間にとって必要最低限のエネルギー消費のことをいいます。基礎代謝についての重要事項を下記にまとめます。

基礎代謝に影響する要因

体表面積体表面積が広い場合と体表面からの放熱量も多いため、年齢・性別・体重が同じであっても、身長が高い人は基礎代謝が高い。
年齢若いほうが成長などによって体内代謝が活発なため、基礎代謝が高い。
男性:15~17歳  女性:12~14歳(青年期)
性別男性のほうが、代謝が活発な組織(筋肉など)の量が多いため、女性よりも基礎代謝が高い。
体格脂肪質の人に比べ、筋肉質の人は基礎代謝が高い
体温体温が1℃上がるごとに代謝量は13%増加するとされるため、体温が高い人のほうが基礎代謝は高い。
ホルモン甲状腺ホルモン・副腎髄質ホルモンの分泌量の多い人は、そうでない人と比べて体内代謝が活発で基礎代謝が高い。
季節一般的に、基礎代謝は夏に低く、冬に高くなる。
月経女性は女性ホルモンの分泌量の変化が体温に影響を及ぼす。月経開始2~3日前に基礎代謝量が最も高く、月経中に最も低くなる
出典:厚生労働省e-ヘルスネット「基礎代謝量」
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