【必修問題】看護活動の場と機能・役割

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【必修問題】主な看護活動の場と看護の機能

看護師国家試験出題範囲 目標Ⅱ.看護の対象および看護活動の場と機能について基本的な知識を問う。の『大項目』中に「主な看護活動の場と看護の機能」があり、『中項目』には今回のタイトルである「看護活動の場と機能・役割」があります。小項目として問われる内容は以下のとおりになります。

  • 病院、診療所
  • 助産所
  • 訪問看護ステーション
  • 介護保険施設
  • 地域包括支援センター
  • 市町村、保健所
  • 学校
  • 企業
  • チーム医療
  • 退院調整
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病院、診療所

病院、診療所、助産所の定義や基準は、医療法によって定められています。

病院

病院とは、医師や歯科医師が医療や歯科治療を行う場所で、20人以上の患者を収容できる施設を備えています。 開設には、一般病床の常勤換算で入院患者: 看護職員が3:1人以上配置しなければならないと医療法で定められています。
以下の条件を満たす病院は、地域医療支援病院または特定機能病院と呼ばれています。

1. 地域医療支援病院
国、都道府県、または厚生労働省が指定し、都道府県知事が承認した者が設置する病院で、200人以上の入院施設を有し、地域の他の病院からの患者を受け入れることができ、医療従事者の質を向上させる研修を実施することができる病院
2. 特定機能病院
患者定員400人以上の施設を有し、原則として16診療科を標榜し、高度な医療の提供、高度な医療技術の開発・評価、高度な医療研修の実施などの機能を有すると厚生労働大臣が認定した病院を指します。特定機能病院における看護職員配置の基準は、入院看護職員が2:1以上であること。

診療所

入院施設がないか、もしくは19人以下 (20人未満)の入院施設のあるものを診療所と呼んでいます。

助産所

助産師がその業務を行う 9床までの施設です。 妊婦、産婦または、 褥婦を10人以上入所させることはできません。

訪問看護ステーション

健康保険法、②介護保険法の2つの法律に規定されている、看護職による独立した看護の事業所です。 全員が訪問看護の対象となります。利用にあたっては、主治医による訪問看護指示書が必要です。訪問看護の費用は、健康保険法、介護保険法、在宅医療保険法の3つの法律で規定されており、高齢者医療確保法も適用されます。
また、管理監督者は常勤の常勤保健師・看護師に限定されており、医師は管理監督者になれません。介護施設は、常勤換算で2.5人以上の看護職員がいないと開設できません。訪問できるのは、保健師、看護師、准看護師、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)のみです。
(1) 医療保険を利用した訪問看護は週3回まで、自己負担は原則3割です。ただし、医療保険による訪問看護を受けられる「厚生労働大臣が定める疾病」の介護保険利用者は、制限がありません。

介護保険の利用者で医療保険の訪問看護の対象となる 「厚生労働大臣が定める疾病等」

  • 末期の悪性腫瘍
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 進行性筋ジストロフィー
  • パーキンソン関連疾患
  • 後天性免疫不全症候群
  • 人工呼吸器を使用している状態など

② 後期高齢者医療制度で利用する場合 : 自己負担は原則1割です。

③介護保険で利用する場合 自己負担は原則1割です。

介護保険施設

介護保険施設とは、介護保険サービスとして利用できる居住系介護施設で、「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「介護療養型医療施設」の3種類があります。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、中・重度の介護を必要とする高齢者のための施設です。主に社会福祉法人が運営しており、日常生活に必要な介護を中心に、レクリエーションやリハビリテーションなどのサービスも提供しています。

介護保険施設のうち、特養に入居できるのは「要介護3~5」と認定された方のみです。

近年は個室が増えつつあるが、4人部屋の「多床室」もまだまだ多い。多床室は安価なため、人口の多い都市部では入居待ちの人が多いが、郊外の特養では空室があるところもある。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、在宅と病院の中間施設として位置づけられる介護施設です。老健施設とも呼ばれ、医療法人や社会福祉法人が運営している。

入居者は「要介護1〜5」と認定された方で、主に病院での治療が終了し、退院後に自宅への復帰を希望する高齢者である。

老健施設には医師や看護師、リハビリスタッフなどが配置され、医療的ケアや手厚いリハビリのほか、日常生活の支援も行っている。

特別養護老人ホーム(特養)と比較すると、どちらも介護サービスを提供する居住施設という点では同じである。

しかし、老健施設の性格は在宅復帰に近く、入所期間も「3ヶ月〜1年」となっており、一定期間後に退所することが前提となっている。そのため、介護老人保健施設は、長期滞在が可能な特養とは役割が異なるのです。

介護療養型医療施設

介護療養型医療施設は、長期にわたり医療的ケアを必要とする高齢者のための入所施設です。医療法人が運営しており、医師や看護師による手厚い医療ケアが受けられることから「療養型病床」とも呼ばれる。

入居者は要介護1~5の認定を受け、経管栄養やがん性腫瘍の吸引、がんの疼痛管理など、継続的な医療と看護を必要とする。

実際、入居者の多くは要介護3以上の中重度の高齢者であるため、レクリエーションなどの娯楽や行事は他の介護施設に比べ少ない。

また、個室ではなく4人部屋である「多床室」を持つ施設が多いため、比較的費用負担を抑えて入居することが可能です。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、高齢者を介護・医療・保健・福祉の側面から支援する「総合相談窓口」です。

専門知識を持ったスタッフが、高齢者が住み慣れた地域で生活できるよう、介護サービス、介護予防サービス、保健福祉サービス、日常生活支援などの相談に応じ、介護保険の申請窓口も兼ねています。

センターは、市町村が直接運営する場合と、社会福祉法人、医療法人、民間企業などに委託して運営する場合がある。市町村の直営が20.5%、委託が79.5%と大半を占めている。

また、人口2万〜3万人の生活圏(概ね中学校区)を担当する包括支援センターが1カ所ある。

市町村、保健所

市町村

都道府県や政令指定都市では、地域保健の広域的・専門的・技術的拠点となる「保健所」が設置されています。一方、市町村には、市町村レベルでの健康づくりを推進し、地域の総合的な拠点となる「市町村保健センター」の設置が義務付けられています。

市町村保健センターは、具体的にどのようなことをするのでしょうか?

市町村保健センターは、健康増進、老人保健、介護予防、母子保健、精神保健福祉、障害者福祉など、さまざまな分野で地域住民に保健サービスを提供しています。具体的には、保健師を中心に運営され、地域住民の健康相談、健康診査、保健指導など、対面による保健サービスを総合的に提供する機関である。

市町村保健センターの設置は、地域保健法によって規定されています。

保健所

保健所は都道府県、政令指定都市、中核都市などに設置されています。そこには医師、保健師、栄養士、診療放射線技師、臨床検査技師、獣医師、薬剤師、精神保健福祉相談員、理学療法士、作業療法士、聴覚言語専門職などが配置されています。

保健所は、住民の快適で安心できる生活環境を確保するため、食品衛生、環境衛生、医事、薬事などの分野で監視・指導・検査を行っています。保健所の主な業務は次のとおりです。

1.結核,感染病の予防・まん延防止
2.生活習慣病に関する相談指導
3.エイズに関する相談や検査
4.アレルギー疾患や複数疾病などについての専門的栄養指導
5.精神保健福祉に関する相談
6.難病に関する相談
7.原爆被害者の援護に関する相談
8.心身障害児等の療育に関する相談
9.歯科保健に関する相談指導
10.適切な医療確保のための病院や診療所に対する監視指導
11.介護保険制度の要介護認定手続きや介護保険サービス等に関する相談
12.食品衛生検査,水質検査,旅館・食堂・乳肉関係の営業許可及び食中毒などを防止するための監視指導
13.狂犬病予防のための啓発,野犬の捕獲,飼犬などの飼養に関する相談,動物愛護に関する業務
14.水質汚濁,大気汚染,騒音,振動,悪臭などに関する苦情相談
15.産業廃棄物などに関する苦情相談 など

学校

学校保健活動

教育基本法第1条は、「教育の目的」を「心身ともに健康な国民の育成」と定めています。これは、子どもの心身の健康にかかわる保健活動が、教育においていかに重要であるかを示しています。

学校保健活動の具体的な内容は、時代とともに変化しています。子どもたちを取り巻く衛生環境や生活環境の変化、感染症の流行などにより、関連する法律や規則、指針などが頻繁に変更されてきました。

特に、新型コロナウイルス感染症の発生以降、学校保健に関する発表や通知が相次いでおり、教育現場では、こうした発表や通知を理解し、対応する負担が増しているのが現状です。

健康診断

健康診断は、学校保健安全法で定められている健康管理の中核となるものです。
健康診断には、入学時の健康診断、児童・生徒の健康診断(定期・臨時)、職員の健康診断(定期・臨時)がある。健康診断では、学業や将来の成長に支障をきたすような病気や、周囲の環境に影響を与えるような問題がないことを確認します。学業や将来の成長に支障をきたす病気や、周囲の環境に影響を及ぼす可能性のある感染症がないことを確認するため、健康診断を実施しています。

感染症対策

学校において予防すべき感染症は、1類から3類に分類されています。学校における感染症対策は、「学校保健安全法」「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき実施されています。感染症の蔓延を防ぐため、校長は「出席停止」、「学校設置者」は「臨時休校」を行うことができます。

養護教諭と保健室

養護教諭は「保健室の先生」とも呼ばれています。養護教諭は、学校教育法により、すべての小学校、中学校、中等教育学校、特別支援学校への配置が義務づけられています。養護教諭は、学校教育法により、すべての小学校、中学校、中等教育学校、特別支援学校への配置が義務づけられています。
保健室では、健康診断、健康相談、保健指導、けがなどの応急処置、不登校の生徒の治療などを行っています。このほか、保健室では、感染症予防センター、環境管理センター、健康情報センター、保健組織活動センターなどを担当している。これらのセンターの運営は、養護教諭が担当しています。

企業

1988年、厚生労働省は労働者の健康の保持増進に資するため、「職場における労働者の健康の保持増進のための指針」(THP:Total Health Promotion Plan)を策定し、労働者の心身の健康増進を図る運動が始まりました。
看護師は、産業看護師として企業で活躍しています。産業医と連携し、主に職業病や生活習慣病の予防、うつ病などの精神疾患の予防など、社員の健康管理のためにメンタルヘルスケアを行っています。
国際労働機関(ILO)や世界保健機関(WHO)は、産業保健の意義・目的を「すべての労働者の事故・疾病を予防し、その身体的・精神的・社会的健康を最高水準に維持・増進すること」と定義している。この目的に沿って、労働衛生管理が展開されています。

チーム医療

患者さん一人ひとりのニーズに応えるために、関連する専門職の集団、患者さん、患者さんのご家族で構成されています。チームとして治療やケアなどの医療サービスを提供し、メンバー間で情報を共有し、意思決定を行い、良質で安全な医療のニーズに応えていくことを「チーム医療」と呼んでいます。チーム医療とは、チームとして治療やケアなどの医療サービスを提供し、メンバー間で情報を共有し、意思決定を行い、良質で安全な医療へのニーズに応えることである。

退院調整

時代的背景

退院指導や、それにつながる入院時のオリエンテーション、地域医療連携、家族との連携などは、近年クローズアップされている分野です。その背景には、医療のあり方が変化していることがあります。これに影響を与える要因のひとつに、医療費の高騰があります。この異常な医療費の伸びを適正な水準に抑制するため、政府は医療機関と在宅医療の機能分化を進めています。この入院期間の短縮化により、多くの回復期患者が治療や療養の必要性から途中退院を余儀なくされています。回復期の患者さんの中には、完治するまで入院していたいという方も少なくありません。この場合、退院時の状況は、回復期の患者さんやご家族が想像している状況とはかなり異なっています。
この場合、退院時の状況は、患者さんやご家族が想像しているものとはかなり異なります。外来受診の条件が整わないままの早期退院は、患者さんにとって不安や不満の原因になります。看護師が入院時から情報を収集し、患者さんの状態や退院後の生活を考慮した看護を提供することがますます重要になってきています。
特に、回復の遅い高齢者の入院では、高齢者・家族・社会・医療者側の各要因を整理し、退院支援・退院調整を組織的に展開することが極めて重要となります。

退院支援と退院調整

一般に、高齢者やその家族の退院に向けた意思決定を支援することを「退院支援」と呼びます。また、高齢者やその家族の意思決定を支援するための制度や社会資源をつなぐことを「退院調整」といいます。

特に、高齢者の退院は、同じ病気や治療であってもスムーズにいかないことが多くあります。高齢者の場合、入院中の意思決定や調整に時間がかかることを考えると、入院当初から退院に向けた話し合いを支援することが必要です。その際、患者さんやご家族が抱える不安にも配慮し、医師を含む多職種が介入できるよう連携することが必要です。サービス導入が必要と判断された場合は、施設の地域医療連携に関わる部署(地域連携室など)を活用します。そうすることで、退院の選択肢が増え、家族の不安や負担が軽減されることが多いです。

退院調整機能により、患者さんとご家族は服薬指導、褥瘡対策、リハビリテーションメニューなどを相談することができます。服薬方法、褥瘡対策、リハビリメニューなどは、患者さんやご家族が院外で行い、継続できるように、わかりやすくアレンジすることが重要です。服薬方法、褥瘡予防対策、リハビリテーションメニューなどを患者さんやご家族が行い、継続できるようにわかりやすくアレンジすることが大切です。入院初期からの介護方法、介護技術の指導が重要である。この指導は、入院の早い段階で、患者さんがケアの方法や技術を目にするところから始めることが大切です。特別な知識や技術を教えるための新しい場を提供するだけでなく、患者が病院の技術や技能を学ぶ機会を提供することが必要である。高齢者やその家族が日常的にケアを観察し、慣れるようにするとよいでしょう。これは、入院中と日々のケアを通して行われます。

入院中や日々のケアで患者さんに寄り添い、患者さんの状況や思いを理解した看護師が退院に関わることになります。入院中や日々のケアで患者さんに寄り添い、患者さんの状況や思いを理解している看護師が退院に関わることは非常に重要です。

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