性と生殖器系
1. 男性生殖器
精巣(睾丸) (かたくて丸い形をしているので睾丸とも呼ばれます)
・精子が減数分裂によって盛んにつくられています。
・男性ホルモンのアンドロゲン (主にテストステロン) を産生しています。
・陰嚢という薄い平滑筋でできた袋におさまり、体外にぶら下がっています。
→精子は体温よりも低い温度 (33℃くらい)で正常に形成されます。
精巣上体 (副睾丸)
・精子を成熟させます。
精管
・厚い平滑筋の層を持つ管 (長さ30cmくらい) で、 精子を先へ先へと送りだします。
前立腺
・膀胱頸の直下にあり、 栗の実ほどの大きさで、 尿道を輪状に取り巻いています。
・精液の液体成分 (精漿) をつくる腺と平滑筋からできています。
→精液には受精をまっとうさせるためのさまざまな物質が含まれています。
●精子のエネルギー源となる糖分。
●膣内の酸性を中和するアルカリ成分など。
・男性ホルモンにより働きが調節されています。
・精子の通り道は、前立腺で尿道と合流しています。
・前立腺の平滑筋が収縮し射精します。
陰莖
尿道海綿体: 尿道を囲むような海綿体
陰茎海綿体: 陰茎を釣り下げるような海綿体
* 海綿体・・・・・・ 特殊な血管系。 海綿状の血管で、血液が充血することで体積が増大します。
2. 女性生殖器
卵巢
・卵巣は卵細胞を蓄え、卵細胞を成熟させます (卵胞)。
・女性ホルモンの1つの卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌します。
排卵後の卵胞は黄体となり、 黄体ホルモン(プロゲステロン) を分泌します。女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン) や黄体ホルモン(プロゲステロン)は閉経期に分泌量が著明に減少します。 そのため、女性特有の体の不調があらわれたり、骨粗鬆症の原因となったりします。
卵管采
・卵巣の卵胞から排卵された卵細胞を受け止めます。
卵管
・子宮底から左右に向かう長さ10~15cmの管。
・平滑筋でできた管で、内面は粘膜と線毛を持ち輸送管として働きます。
・膣内に射精された精子は、卵管まで泳ぎついて卵管膨大部で受精します。
・受精卵を子宮へと運ぶ線毛運動を行います。
子宮
・膀胱と直腸の間にある前傾前屈の中腔器官で、 子宮上部の広がりを子宮底といいます。
・外膜(腹膜からつながっている膜)、中膜 (平滑筋の層)、内膜 (着床の場となる)
3つの層からなります。
・卵管内で受精した卵細胞 (受精卵) は子宮体部の内膜に着床します。
・中膜の平滑筋は、子宮内で育んだ胎児を分娩時に外に出す原動力となります。
膣
・平滑筋でできた管状の構造。 内面は粘膜で覆われます。
・デーデルライン (桿) 菌により酸性に保たれて、他の菌が繁殖するのを防ぐ防御機
構 (膣自浄作用)を持ちます。