【必修問題】症状と看護

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【必修問題】人体の構造と機能

看護師国家試験出題範囲 目標Ⅲ.看護に必要な人体の構造と機能および健康障害と回復について基本的な知識を問う。の『大項目』中に「病態と看護」があり、『中項目』には今回のタイトルである「症状と看護」があります。小項目として問われる内容は以下のとおりになります。

意識障害
嚥下障害
言語障害
ショック
高体温、低体温
脱水
黄疸
頭痛
咳嗽、喀痰
吐血、喀血
チアノーゼ
呼吸困難
胸痛
不整脈
腹痛、腹部膨満
悪心、嘔吐
下痢
便秘
下血
乏尿、無尿、頻尿、多尿
浮腫
貧血
睡眠障害
感覚過敏・鈍麻
運動麻痺
けいれん

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意識障害

あなたは今、意識がありますか?自分の名前と住所が言えれば、意識はあります。

このような当たり前のことが言えない、わからないことを意識障害といいます。

意識が障害されると、死ぬこともあれば、回復して元気になることもあります。

意識障害には、大きく分けて、脳に起因するものと、脳以外の要因で起こるものがあります。

意識障害の例としては、以下のようなものがあります。

例:脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、糖尿病性昏睡・低血糖、肝性脳症(血液中のアンモニア過剰による)、アダムス・ストークス症候群、てんかん、アルコール依存症、一酸化炭素中毒せん妄など。

せん妄は、意識障害の代表的なものの一つです

せん妄は、脳機能の一時的な低下により平衡感覚が失われた状態です

患者は覚醒しているが、しばしば混乱し、幻覚や幻視を見たり、無意味なことを話したり、暴れたりするので、治療に影響を与えることがあります。

せん妄発症の促進因子

身体的要因脳血管疾患、 呼吸器疾患、循環器疾患などは直接的、二次的に中枢神経へ影響を及
ぼしてせん妄を引き起こす。
心理的要因不安や緊張
環境的要因非日常的環境 (医療機器、 モニター音) 点滴やドレーン、 心電図モニター、身体
拘束
、体動制限

嚥下

口腔に取り入れられた食物は、随意運動である咀嚼(機械的な消化)を受け、咽頭から食道へ嚥下されます。

嚥下時、咽頭に入った食塊が鼻腔や咽頭へ行かないように、咽頭腔と鼻腔、咽頭腔と喉頭腔の間がそれぞれ反射的にふさがります。

嚥下障害

先行期食物を認識して量を決め、口に運ぶ
準備期口に入った食物を嚥下しやすいように咀嚼し、食塊を形成する
口腔期口腔から咽頭へ食塊を随意的に移動させる
咽頭期食塊が舌によって後方へ押し出されると反射運動が起こり、軟口蓋が挙上して上咽頭を遮断し、食塊が鼻腔へ流れるのを防ぐ
食道期食塊は重力と蠕動運動によって食道内へ運ばれ、弛緩した下部食道括約筋を通って胃の中へ不随意に移動する

嚥下障害とは,嚥下機能が器質的・機能的に障害されることをいう。 器質的障害 (静的障害)の原因として炎症, 腫瘍, 異物, 奇形などがあり,機能的障害 (動的障害)の原因として脳血管疾患, 神経系疾患がある。

嚥下障害には、嚥下機能の器質的障害と機能的障害の両方があります。器質的(静的)障害は、炎症、腫瘍、異物、奇形などが原因で、機能的(動的)障害は、脳血管障害や神経疾患などが原因で起こります。

嚥下障害のスクリーニング

嚥下障害のスクリーニングには、3mLの冷水を飲み込んでもらい、口腔から食道までの全過程を評価する改良型飲水試験を実施します。

▼改訂水飲みテストの観察項目
●嚥下の状態(口角からの水の流出の有無等)
●むせの有無
●呼吸の変化等

嚥下訓練

嚥下訓練は、食物を用いた直接訓練と食物を用いない間接訓練(基礎訓練)に分けられます。

間接訓練には嚥下体操やアイスマッサージなどがあり、誤嚥の危険性が高い患者さんに適応されます。また、呼吸筋の廃用症候群の予防や嚥下器官の運動機能改善にも有効です。

嚥下体操は、食前に顎、頬、唇、舌を運動させることで筋肉を強化し、リラックスを促し、口腔内のステージを調整し、誤嚥を防止する体操です。

食前のアイスマッサージや氷舐めは嚥下反射を誘発し、嚥下障害の悪化を防ぐのに有効です。

嚥下訓練を行う際には、患者を疲労させないように注意する必要があります

嚥下障害患者の口腔ケアでは、口腔内を吸引しながらブラッシングすることで誤嚥性肺炎のリスクを低減することができます。

言語障害

言語障害とは

言語障害は、発声発語器官(唇、顎、舌、鼻から喉、気管、気管支から肺までの声を出すための器官)のどこかに異常があり、言葉を正しく発音できない「構音障害」と、大脳言語野に異常があり言葉を使えない「失語症」に分類されます。

言語障害の症状

構音障害の症状としては、声が出ない、声は出るがはっきりと発音できない、特定の音(特にタ行とラ行、バ行とパ行)が出せない、舌打ちをする、会話や筆談ができない、などが挙げられます。通常、構音障害のみであれば筆談は可能であると考えられています。

 失語症には、さまざまな症状があります。「話せない」「よく間違える」「スムーズに話せるが、状況に応じた言葉を選べない」「意味不明な言葉を話す」などの「話す」障害、「音は聞こえるが、何を言っているかわからない」などの「聞く」障害、「読み書きができない」「読めるが何を言っているかわからない」などの「読む・書く」障害、そして「読めるが何を言っているかわからない」「読む・書く」障害があるのです。

これらはすべて、失語症の症状として知られています。

高齢者の言語障害の原因としては、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称)、認知症などが挙げられます。また、発話の運動機能障害の原因としては、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患などがあります。

 その他、音声機能障害の原因としては、難聴などの聴覚障害に伴うもの、発達障害や知的障害に伴うものなどがあります。

失語症について

脳出血や脳梗塞などの脳血管障害、脳腫瘍、外傷性脳損傷による障害には、手足だけでなく、言葉の障害も含まれます。そのひとつが失語症です。
失語症とは、「大脳の損傷により、一度獲得した言語機能が失われること」です。

私たちは日常的に言葉を使ってコミュニケーションをとっていますが、失語症になると「聞く」「話す」「読む」「書く」といった言語機能全般にさまざまな障害が生じます。

失語症は、「聞く」「話す」「読む」「書く」など、言語機能全般にさまざまな障害が生じます。

失語症のタイプ

前述したように、言語には4つの機能があり、それぞれ脳の異なる領域に集中しています。

そして、これらの個々の領域の障害の影響により、さまざまな失語症の症状が現れ、失語症の種類に分類されます。

ここでは、代表的な種類をご紹介します。

《ブローカ失語》

運動性失語症とも呼ばれ、言葉が流暢でなく、不明瞭であることが特徴です。相手の言っていることはある程度理解できるのですが、いざ話そうとするとなかなか言葉が出てきません。特に、言葉の最初の音が出にくいのが特徴です。

《ウェルニッケ失語》

感覚性失語症とも呼ばれ、流暢に簡単に話すことができるのに、他人の話す言葉を理解することができない失語症の一種である。

また、自分の言葉をよく理解できないまま話すので、まともな会話もできません。

例えば、「ご飯が食べたい」と言いたいときに「机が食べたい」と言ったり、「スベラギノコウサイ」など日本語にない言葉を発したりします。

《伝導失語》

このタイプの人は、相手の言っていることは理解できるのですが、話したり書いたりするときに、「リンゴ」が「クリンゴ」や「リンゲ」になるなど、発話の誤りをします。また、その間違いに気づき、正しい音を探して修正することもよくあります。

《全失語》

このタイプでは、すべての言語機能が著しく損なわれ、相手の話しをほとんど理解できず、まったく話さないか、意味のない一語を発するだけとなります。

言語障害の診断

言語障害を診断する際には、構音・プロソディー検査、会話明瞭度検査・構音器官の検査、標準失語症検査(SLTA)・老研版失語症検査・国立リハ版失語症選別検査・BDAE 失語症重症度評価尺度などの失語症の重症度を知るための検査を用い、以下の状況について確認を行い、所見を総合して、言語障害の分類および重症度の診断を行います。

構(発)音の状態

母音、子音等の正確性、発話全体としての会話明瞭度及び自然性(抑揚、アクセント、発話速度等)

構音器官の所見

口唇、舌、下顎、口蓋、咽頭等の運動機能と形態

言語理解力

音声言語に関して、単語や文の理解ができるか否か(聴覚的理解)。日常的な単語、簡単な文、やや複雑な文等の視点から理解力の程度をみる。

言語表出力

単語や文が言えるか否か(音声言語の表出)。日常的な単語、簡単な文、やや複雑な文、文の形式(構文又は文法)、文による具体的情報伝達(実質語の有無)等の観点から表出力の程度をみる

言語障害の治療

脳卒中や認知症に伴う言語障害は、特効薬や有効な治療法がないため、残念ながら元に戻すことが困難な場合が多くあります。

 言語障害の主な治療法は、言語聴覚士によるリハビリテーションです。言語障害の症状や程度は人によって大きく異なるため、個々に合わせたリハビリテーションが必要です。

 構音障害が主な原因の場合は、言葉をはっきり発音し、ゆっくり話す、言葉を区切って話すなど、相手が理解しやすいように練習します。

 失語症が主な原因の場合は、残存機能を十分に活用し、実用的なコミュニケーション方法を確立するための訓練を行います。

言語障害の予防・ケア

認知症に基づく言語障害以外の言語障害は、単に状況に応じた言葉が出せないだけであり、理解力が低下しているわけではありません。

小さな子供に話しかけるような言葉遣いや身のこなしは、本人の自尊心を大きく傷つけ、リハビリテーションへの意欲を低下させることになります。

 言語障害のある人に話しかけるときは、ゆっくりと平易な言葉で話し、相手が話すのを待ち、話すのが困難な場合は「はい」「いいえ」で答えられる質問を用意しておくとよいでしょう。

 一番大切なのは、相手の気持ちに寄り添うことです。

思うように話せないことは、とてももどかしくイライラするものです。徐々にその人にとって可能なコミュニケーション手段を確立していきましょう。

ショック

ショックとは、何らかの原因により血圧が低下し、循環不全に陥った状態をいいます。


収縮期血圧が90mmHg以下(通常は110mmHg以下の場合20mmHg以上の低下)が指標として一般的に用いられています。

症状としては、頻脈、顔面蒼白、冷や汗などがあります。近年、循環障害に基づく新しいショック分類が用いられるようになった。


以下の4つに大別されます。

1. 循環血液量減少性 (低容量性) ショック

循環血液量が減少して血圧が低下します。

出血性ショックが代表的なものです。

また出血を伴わず、 下痢や嘔吐などによる体液の喪失によるものもあります。


出血性ショック
体液喪失性ショック (下痢、嘔吐, 熱傷など)

2. 血液分布異常性ショック

血管の容積が大きくなり、 相対的に循環血液量が減少することで血圧が低下します。

敗血症性ショックが代表的なものです。

特に、 グラム陰性菌に関与するエンドトキシンショックなどが該当します。


アナフィラキシーショック (薬剤、食物など)
敗血症性ショック (エンドトキシン、 急性膵炎など)
神経原性ショック (脊髄損傷、 精神的衝撃など)

3. 心原性ショック

心臓のポンプ作用が機能低下し、 心拍出量が減少することで血圧が低下します。

急性心筋梗塞が代表的なものです。

・心筋梗塞、 弁膜症、 重症不整脈、心筋症, 心筋炎など

4. 心外閉塞・拘束性 (血管閉塞性) ショック

肺血管の閉塞などにより、 静脈還流が減少することで血圧が低下します。

心タンポナーデが代表的なものです。


・肺塞栓、 心タンポナーデ、 緊張性気胸など

対処法


ショックの際には、ショック体位といって下肢を挙上します。

ただし、心原性ショックの時はファウラー位や起坐位にしましょう。

高体温、低体温

体温はどのくらい上下するものでしょうか? 通常、体温は朝6時頃が最も低く、最も高くなるのは午後2~8時頃です。 その温度差は0.5℃程度です。

微熱・高熱

微熱:37℃~37.9℃
高熱 : 39℃以上
その間の熱を中等度熱といいます。

正常な状態では、体温は視床下部の体温調節中枢によってコントロールされ、42℃を超えることはありません。
体温は42℃を超えることはない。

しかし、熱中症や悪性高熱症による高体温症の場合、体温調節ができなくなり42℃を超え、体内のタンパク質が変性し死に至ります

低体温

低体温症は、一般に低温に長時間さらされることで起こりますが、絶食や飢餓による栄養状態の悪化、熱産生の困難、甲状腺機能低下症などが原因となる場合もあります。
低体温症は、体温が35℃以下になることと定義されています。

体温が35℃以下になると、生命の危機を感じて交感神経系が刺激され、正常な体温を維持しようと皮膚血管収縮、震え、筋硬直、頻脈、血圧上昇、呼吸促迫などの寒冷反応が現れる。

特にシバリングは寒冷刺激によって誘発される骨格筋の小さな不随意運動であり、骨格筋の収縮は熱産生を促進する。

体温が35℃以下になると、血圧、呼吸数、意識などが低下する。体温が32℃以下になると心拍が異常になり、さらに体温が下がると死に至ります。

低体温の程度深部体温生体の変化
軽度低体温35°C
33°C
健忘、 構音障害
洞性徐脈、心房細動
中等度低体温30°C
28℃
昏睡、瞳孔散大
刺激による心室細動
高度低体温25°C
23°C
心室細動
角膜反射消失
超低体温20°C心停止

症状

前駆症状: 悪寒・戦慄
自覚症状 :熱感、発汗、倦怠感・ 脱力感、関節痛・筋肉痛、頭痛・頭重感・めまい、食欲不振・ 悪心・嘔吐など
他覚症状: 顔面紅潮、 乾燥、 嗜眠など

熱型の種類

出典:看護roo!熱型の種類

脱水

医学用語で脱水症とは、単に水分が失われるのではなく、「体液」が不足することを指します。脱水症状になると、水分不足による血圧の低下、頻脈、尿量の減少などが起こります。

毎年夏になるとニュースで耳にする「脱水症」は、放っておくと命に関わる症状で、大きな注意が必要です。
脱水症は、脱水による血液成分の変化により分類されます。

1. 水欠乏性脱水 (1次脱水)

発汗や水分摂取不足により、水分だけが不足した状態です。

一般的な脱水のイメージです。

体内の水分が減少した結果、体液が濃くなる。この水=濃度が減少するということは、赤血球数、血漿浸透圧(=濃度)、ナトリウム濃度、尿比重など、濃度に関わるすべての数値が上昇することを意味します。

尿量や汗量はその逆です

このような体の状態を高張性と呼ぶので、水不足性脱水は高張性脱水とも呼ばれます。この脱水は、特に乳幼児や高齢者に多く見られます。

2. 食塩欠乏性脱水

水とナトリウムの欠乏に対して、水だけを補給した結果です。

このように、水不足の脱水とは逆に、体液全体が薄くなることを低張性脱水ともいいます。

もちろん、血液や尿も薄くなります。

3. 混合性脱水

下痢や嘔吐により、水とナトリウムの両方が失われることで起こる脱水症状。

等張性脱水とも呼ばれる。

この場合、水分だけを補給すると症状が悪化するため、症状に応じて様々な輸液が用いられます。

黄疸

人間の体を構成する成分で最も多いのは水で、2番目に多いのはタンパク質です(質量比率)。

つまり、私たちの体は、ほとんど水とタンパク質でできているのです。

通常のタンパク質は何色かご存知でしょうか?

豆腐や牛乳のように白色をしているのが普通です。

ほとんど水とたんぱく質の集まりである私たちの体には、メラニンなどの色素がいくつか含まれており、そのため色の濃淡があります。

血液(赤茶色)、肝臓(赤褐色)、胆汁(分泌時緑褐色)、便(茶褐色)、尿(黄色)にはそれぞれ特有の色がありますが、すべて同じ茶色の色素であるビリルビンが含まれています。

肝臓の病気などで起こる黄疸は、体内のビリルビン(胆汁色素)が過剰になり、目や皮膚が黄色くなることです。

ビリルビンは、老化した赤血球が脾臓で分解されるときに、血液中に放出されます。

この段階ではまだ水となじんでおらず、間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)と呼ばれます。

それが肝臓に運ばれると、抱合という過程を経て直接ビリルビン(抱合ビリルビン)になります。

直接ビリルビンは最終的に胆汁の成分として胆嚢を経由して十二指腸に分泌されます。黄疸がある場合、ビリルビンの発生源を特定する必要がある。

黄疸の分類

1. 溶血性黄疸 (肝前性)

特に間接 (非抱合型) ビリルビン上昇
溶血性貧血 通常の新生児黄疸など

2. 肝細胞性黄疸 (肝性)

抱合型が優位に上昇
肝硬変など

3. 閉塞性黄疸(肝後性)

特に直接 (抱合型) ビリルビン上昇
胆石 膵頭部癌など

黄疸では、まず結膜(白目の部分)が黄色くなる症状が出ます。

その後、特に閉塞性黄疸では、皮膚のかゆみ、褐色の尿、灰白色の便が顕著な症状として現れます。

便に色素が通らない場合は、便は灰白色です。

頭痛

頭痛の大半は原因が不明です。 頭痛は下記のように分類することができます。
緊張型頭痛 :慢性頭痛の大半を占めます。 ストレスによる不安や抑うつ感、緊張などから強い肩こりを伴うことが多いです。


片頭痛: 片側性で血管の拍動に伴う拍動痛が特徴です。


群発頭痛: 30歳前後の男性に多くみられ、 眼周囲の自律神経症状を伴って、 激しい痛みが起こります。


症候性頭痛: 脳腫瘍やくも膜下出血などの原因がはっきりしているものをいいます。 特にくも膜下出血では突然起こる後頭部痛が特徴的です。

頭痛の国際分類

一次性頭痛(機能性頭痛)

1. 片頭痛


2. 緊張型頭痛


3. 群発頭痛


4. その他の一次性頭痛

二次性頭痛(症候性頭痛)

外科的
5. 頭部外傷に伴う頭痛 (むち打ち 硬膜外血腫など)


6. 血管障害に伴う頭痛 (脳梗塞、くも膜下出血など)


7. 脳腫瘍など頭蓋内疾患に伴う頭痛

内科的
8. 薬物による頭痛 (アルコール、麻薬、鎮痛薬など)


9. 感染症による頭痛(脳炎、髄膜炎など)


10. 代謝障害に伴う頭痛 (高山病、高血圧など)

その他
11. 眼・耳・鼻、口腔疾患に伴う頭痛 (緑内障、副鼻腔炎など)

12.精神疾患による頭痛

その他

13.頭部神経痛および中枢性顔面痛(三叉神経痛、寒冷刺激など)

14.分類できない頭痛

咳嗽、喀痰

風邪を引くと、よく咳が出ますよね。

しかし、慢性気管支炎肺気腫気管支拡張症などの呼吸器系の病気でも咳は出ます。

これは、気道に侵入した異物を排出するための生理的な反応です。

また、循環器系の病気である左心不全でも咳が出ることがあります。

左心不全は、肺静脈への血流を低下させ、肺うっ血を引き起こします

やがて呼吸困難や肺水腫が起こり、咳が頻発するようになります。

痰はどうなるの?

タバコを吸う人はよく痰が出ますが、吸わない人はほとんど痰が出ないこともあります。

しかし、呼吸器系の病気の人は、痰が出ることがよくあります。

痰にはいくつかの特徴がありますので、以下を参考にしてください。

膿性痰: 気管支拡張症
ピンク色泡沫状痰: 肺水腫
鉄さび色: 肺炎 (肺炎球菌)

吐血、喀血

皆さんは、怪我をして出血したことがありますよね。

しかし、まれに口から血を吐いたことがある人がいます。

口から血を吐いた場合、出血した場所によって吐血と喀血に分類されます

吐血は、胃や十二指腸などの消化管から出血したものです。

喀血は、気道や肺などの呼吸器系からの出血です。

つまり、胃がんや胃潰瘍の人が血を吐くことを吐血といい、結核や肺がんの人が血を吐くことを喀血といいます。

もちろん、治療法も全く異なるので、正確に区別する必要があります。

また、意識がある状態で吐血した場合、患者さんの精神的ダメージは大きいものです。

メンタルケアを忘れないようにしましょう。

吐血喀血
排出嘔吐による咳による
性状暗赤色またはコーヒー残渣様鮮紅色 ・泡沫状
疾患領域消化器呼吸器

チアノーゼ

チアノーゼとは、唇や爪の表面が酸素不足で青紫色になる病気です


血液中の赤血球には、酸素を運ぶための色素であるヘモグロビンが含まれています。

酸素と結合している酸化ヘモグロビンは明るい赤色、酸素と結合していない還元ヘモグロビンは暗い赤色をしています。

チアノーゼは、臨床的には還元型ヘモグロビンの絶対量が増加する(毛細血管で5g/dL以上)と定義されています。

したがって、赤血球数の少ない重症貧血では観察されにくく、多血症の傾向のある乳幼児(そのため「赤ちゃん」と呼ばれる)で観察されることが多い。


チアノーゼは、循環器系や呼吸器系の問題、ファロー四徴症やヘモグロビンの異常によって引き起こされることがあります。

呼吸困難

呼吸器や心臓に問題がある人は、何の助けもなく呼吸することが困難で、1年365日、ずっとつらい状態です。

しかし、意識があるだけに、「このまま死んでしまうのではないか」という精神的な不安は大きい。

そばにいて、手を握ったり、背中をさすったり、やさしい言葉をかけてあげるといいでしょう。


また、上体を起こす(正座の姿勢、ファウラーの姿勢)ことも効果的です。

横隔膜が下がり、呼吸の幅が広がり、呼吸が楽になるからです。

また、下肢からの静脈還流が減少するため、心拍出量も減少します。

これは、心臓の仕事量を減らすことになるので、心不全の方にとって有益です。

特に、左心不全の患者さんは、呼吸困難や肺うっ血が起こるため、自発的に座位呼吸の姿勢をとるようになる。

胸痛

胸痛は、胸が痛むという自覚症状のことです。

単純な胸の痛みから、胸の圧迫感、締め付け感(絞めつけ)、灼熱感、不快感など、さまざまな症状があります。

胸痛は、心臓病などの急病の前兆であることもあります。

肺に穴が開いて空気が胸腔内に入り、肺を圧迫する気胸も、激しい胸痛の原因になります

 

 

また、心理的なストレスや命にかかわる重大な病気が原因で、心臓の痛みが起こることもあります。


胸の痛みだけでは病気が特定できないことが多いため、原因を特定するためには他の随伴症状も重要です。

胸痛の訴えを前提としたときの一例

1. 呼吸困難を伴う: 気胸、心筋梗塞、肺塞栓症、肺炎など
2. 動悸を伴う:心筋梗塞、狭心症など
3.胸内苦悶を伴う: 心筋梗塞、狭心症
*この胸内苦悶とは 「心臓が握りつぶされるような」 激しい痛みのことで、 特に虚血性心疾患で顕著です。
4. ショックを伴う:解離性大動脈瘤、肺塞栓、 食道静脈瘤破裂、 心筋梗塞
5. 発熱を伴う:心膜炎、 肺炎
6. 吐血を伴う:胃潰瘍、 食道静脈瘤破裂

不整脈

不整脈とは、心臓の拍動やリズムの乱れのことです。

一部の例外を除き、ほとんどの不整脈は無症状でそれ自体には問題はありませんが、心室頻拍や心室細動のように命にかかわる不整脈は注意が必要です。

心室頻拍や心室細動のような命にかかわる不整脈は注意が必要です。
不整脈にはさまざまな種類があり、専門用語に戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、いくつかのルールを覚えておくと、理解しやすくなります。

まずは、用語の意味をおさらいしましょう。

洞性: リズムは一定であるということ。
上室性 (心房も含む): 主に心臓上部のこと。
心室性: 心臓下部のことで、より重篤となりやすい。
頻拍(100~250/分) <粗動 (250~350/分) <細動 (350/分~)の順に心拍数が上がる。

・脈が飛ぶ・抜ける・つまずくなどの心拍は期外収縮という。
・刺激伝導系における伝導路の遮断の事をブロックという。
不整脈の分類を大まかに分けると、 脈の速い頻脈性不整脈、脈の遅い徐脈性不整脈に分けられます。

さらに、脈が飛ぶ期外収縮を別に分けることも出来ます。

1. 頻脈性不整脈に分類される不整脈の例
・洞性頻脈
・上室性: 心房細動 (粗動) 上室性頻拍・WPW症候群
・心室性: 心室性頻拍 心室細動
・期外収縮 心房性期外収縮 心室性期外収縮
·
2. 徐脈性不整脈の例 ※ アダムス・ストークス症候群に注意
・洞性徐脈
・ブロック…洞房ブロック 房室ブロックなど

心電図は心筋の電気の流れを記録するもので、不整脈の診断に使用されます。

多くの不整脈はそれ自体では無症状ですが、動悸、呼吸困難、胸部圧迫感、胸痛、めまい、失神(アダムス・ストークス症候群)などの明らかな症状がある場合は注意が必要です。

AED(自動体外式除細動器)について

AEDは主に心室細動の要救助者に対して、除細動(電気ショック)を行う装置です。音声の指示に従って操作し、自動的に心電図をとって除細動の必要性を判断するので、一般市民にも使用が可能です。

腹痛、腹部膨満

腹痛は、文字通りお腹の中の痛みです。

少し例を挙げると、みぞおちの周辺には食道、胃、十二指腸、膵臓などがあり、これを心窩部と呼びます。
心窩部の痛みは、食道、胃、十二指腸、膵臓に絞り込むことができます。

食後に嘔吐やタール便を伴って痛みが強い場合は胃潰瘍空腹時に痛みが強い場合は十二指腸潰瘍、重い食事や脂肪分の多い食事をした後に痛みが強い場合は膵炎となります。


心窩部を右にずらすと、右季肋部(右上腹部)と呼ばれ、肝臓や胆嚢がある場所です。

胆汁は脂肪の消化に関与しているので、脂肪分の多いものを食べた後に右腹部が痛む場合は、胆石がある可能性があります

下腹部痛の原因はさまざまですが、最も多いのは大腸、生殖器、尿路の病気です。


その他、泌尿器や生殖器の病気もよく起こります。

血便がある場合は潰瘍性大腸炎大腸がん排尿痛がある場合は膀胱炎が疑われます

他には臍と右上前腸骨棘を結ぶ線の外側1/3のマックバー二ー圧痛点の痛みは虫垂炎です

また左右の上前腸骨棘を結ぶ線を3等分した右1/3の点は、ランツ圧痛点と呼ばれ、虫垂炎の痛みです

このように急性虫垂炎にはマックバーニー点、ランツ点、キュンメル点、モンロー点という特徴的な圧痛点があります。

腸内にガスがたまると、腹部膨満感という腹部膨張がみられます。
この場合、まず腸閉塞(イレウス)が疑われます。


これはほんの一例ですが、腹痛の診断は非常に複雑です。

悪心、嘔吐

嘔吐は、延髄にある嘔吐中枢が刺激されることで起こります


抗がん剤の副作用や放射線治療、時にはクモ膜下出血という重篤な病気でも起こります。

激しい嘔吐は、胃酸の減少による代謝性アルカローシスの状態です。

アルカローシスは血液のアルカリ性度が高くなりすぎた状態で、血液中の重炭酸塩の過剰または血液中の酸の減少が原因で発生する代謝性アルカローシスと、深く速い呼吸により血液中の二酸化炭素濃度が低下して生じる呼吸性アルカローシスとがあります。
  • アルカローシスは、易刺激性、筋肉のひきつり、筋肉のけいれん(強い痛みを伴うこともあります)を引き起こすことがあります。

 

食べ物をすべて吐き出すと、十二指腸からの胆汁が混じった緑色の嘔吐物も出ることがあります。

また、嘔吐により水分が失われるため、脱水症状も見られます。

嘔吐するときは、仰臥位か横向きに寝かせます

仰臥位では、嘔吐物で窒息する危険があります。

心窩部を冷やすことも効果的です

下痢

下痢は、細菌やウイルス性の腸炎、消化不良、風邪などが原因で起こります。

下痢には、腹部の温罨法が効果的です。

また、脱水症状を起こすこともあるので、水分の摂取は欠かせません。

さらに、ひどい下痢のときは腸液で皮膚がただれることがあるので、肛門の周りの皮膚を清潔に保ち、ケアする必要があります。


大腸は水分や電解質を吸収しており、下痢をするとカリウムの排泄が増え、低カリウム血症になります。

低カリウム血症

  • カリウム濃度の低下には多くの原因がありますが、通常は嘔吐、下痢、副腎の病気、利尿薬の使用が原因で起こります。

  • カリウム濃度が低下すると、筋力低下、筋肉のけいれんやひきつり、さらには麻痺が生じるほか、不整脈を起こすことがあります。

便秘

便秘とは、便が排泄されにくい状態のことです。日本内科学会では、「3日以上排便がない、あるいは毎日排便があっても残便感がある状態」を便秘と定義しています。

病院に相談しにくいという方も多いと思いますが、便秘を放っておくと、頭痛や吐き気、めまいなどの症状が出たり、直腸がんなどの重大な病気の原因になったりすることもあります。

また、便秘は病気のサインとしても重要です。

便秘は、腸自体の物理的な損傷(がん、術後の癒着など)により大腸の内腔が狭くなる器質性便秘と、大腸の機能が何らかの形で損なわれている機能性便秘に分類されます。


機能性便秘は大腸の機能が低下した 「何らかの原因によってさらに分かれます。 まず食物繊維の不足や、 運動不足による筋力の低下によって起こるのが弛緩性便秘です

刺激が足りなくて大腸の筋肉が文字通り弛緩しています。

逆に、痙攣性便秘は、ストレスや過敏性腸症候群などで大腸が緊張しすぎることで起こります

また、頻繁に排便を抑えたり、下剤を乱用したりすることで起こる習慣性便秘(直腸性便秘)もあります。

つまり、排便を我慢しすぎることも便秘の原因になるのです。


便秘の原因を理解することで、便秘を予防・改善する方法が見えてきます。
(1)1日1回の排便を習慣化する。
(2)腹筋などの筋肉を刺激し、体を動かすことを習慣にする。
(3) 野菜、果物、穀物などの食物繊維を摂取し、朝は牛乳を飲み、1日3食を心がける。
これらはほんの一例です。

下剤の乱用は好ましくありません。

毎朝の排便は健康のために最も重要な要素の一つです

 

下血

肛門から血液成分が排泄されることを下血といいます。

下血は、消化管のどの部位からも起こりえます

上部消化管(食道、胃、十二指腸)のトライツ靭帯の口側からの出血は吐血の原因となるが、血液の大部分は蠕動運動中に肛門に移行し、下血となります。

したがって、吐血と出血が同時に見られる場合は、トライツ靭帯より口側からの出血といえます。

十二指腸は下行脚から水平部にかけて後腹膜腔に存在するが,空腸の起始部に移行するところで腹腔内に出てくる.その空腸に移行する部分が後腹壁に靱帯で固定されているが,その靱帯をトライツ靱帯という


食道、胃十二指腸、小腸からの出血は、ヘモグロビンが腸内細菌によって酸化・変色し、悪臭とコールタール様の光沢を持つ黒い便となり、これをタール便と呼びます。

出血の原因としては、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸ポリープ、大腸癌などが考えられ、患者さんは早期に病院を受診し、検査・治療を受けることが必要です。


出血のある患者さんは、出血の性質や始まり方(急性か慢性か)、始まる前の便通、服薬(鉄剤は便を黒くすることがある)、随伴症状(発熱、腹痛、便秘、吐き気・嘔吐、胸焼け)などを観察する必要があります。

乏尿、無尿、頻尿、多尿

私たちが毎日排出する尿の量は、1日あたり約1,0001,500mLといわれています。個人差はありますが、成人の場合、膀胱の容量は約500mLといわれています。

一般に、膀胱内の尿量が150~300mLになると尿意が生じます。

尿量が減少しているときは、腎臓などの病気を考える必要があります。

一般に、1日の尿量が400mL未満で乏尿、100mL未満で無尿となります

逆に、1日の尿量が2,500mL以上の場合は多尿となります。

尿量異常は電解質異常の原因としてよく知られており、注意深く観察する必要があります。

特に、乏尿や無尿は高カリウム血症を引き起こす可能性があり、注意が必要です。

これらは尿が出ないことによって起こる障害であり、尿閉は膀胱に尿があるにもかかわらず排尿ができない状態です。

尿閉の代表的な原因としては、前立腺が肥大して尿道を圧迫する前立腺肥大症や、手術による骨盤神経の損傷などが挙げられます


人の1日の排尿回数は、個人差がありますが、5~7回と言われています。

正確な定義はありませんが、1日に8回以上排尿する場合は頻尿とみなされ、多尿や膀胱・尿道の損傷が疑われます。

 

浮腫

浮腫(むくみ)とは、組織の細胞と細胞の間に水分がたまり、腫れた状態のことをいいます

体重が大幅に増えた場合など、むくみを放っておけないケースもあります。


なぜ、細胞と細胞の間に水がたまるのでしょうか?

この水分は、主に血液の液体部分である血漿の成分です。

血漿とは、血液中の液体で、栄養分やミネラル(電解質)を溶かして体の組織に運び、再び血液に戻す働きをしています。

この血漿は心臓から送り出され、動脈を通り、毛細血管を通って細胞の間を通り、静脈(一部はリンパ管)を通って心臓に戻る。

つまり、心臓の働きが悪くなったり、静脈の流れが悪くなると、細胞と細胞の間に水がたまり、「浮腫む」のです。

浮腫の原因

心不全: 毛細血管の内圧が上昇することによる


腎性浮腫 :尿量の減少によってからだに水がたまる

肝硬変: 血漿蛋白がつくれず血管の外に水があふれる(血漿膠質浸透圧の低下)

ネフローゼ症候群 : 血漿蛋白が尿にもれる (蛋白尿) (血漿膠質浸透圧の低下)


リンパ管閉塞: 乳癌の切除後などのリンパ郭清 (周辺リンパ節の除去)による還流不全


低栄養


その他 : 甲状腺機能低下、火傷(やけど)による損傷、副腎皮質ステロイド薬の副作用など

貧血

貧血とは、酸素を運ぶ赤血球の数そのものが減少している状態のことです。

酸素と結合するのは赤血球中のヘモグロビンであり、ヘモグロビンは血色素とも呼ばれます

ヘモグロビンの量が減ると、全身に酸素が運ばれなくなります。

全身で酸素が不足するため、貧血の症状が現れるのです。


赤血球が少なくなっても、赤血球の中のヘモグロビンがなくなっても、血液中のヘモグロビン濃度(Hb)は共通して低下しています。

貧血は、このヘモグロビン濃度によって診断されます。

貧血の基準: ヘモグロビン濃度
男性: 13g/dL以下
女性: 12g/dL以下
妊婦 : 11g/dL未満

軽度の貧血では症状が出ないことが多いですが、ヘモグロビン値が7g/dL以下になると、症状が出ることが多くなります。

主な症状は、全身の倦怠感、動悸、息切れ、めまい、ふらつきなどです

1. 鉄欠乏性貧血
通常の貧血症状に加えて、爪がそりかえるスプーンネイル (匙状爪) が特徴です。

ヘモグロビンは鉄分を含みますが、 体内を循環している鉄分は出血や月経によって失われます。

ほかにも偏食による鉄の摂取不足や、見えない出血、つまり消化管の出血などによっても起こります。 若い女性に特に多い貧血です


2. 巨赤芽球性貧血
血球は核の成熟や増殖にDNAを合成しますが、 このDNAの合成に必要なビタミンB12や葉酸が不足すると、 未成熟で巨大な赤血球 (巨赤芽球) があらわれ、 その多くが骨髄内で死滅します。

ビタミンB12は体内に吸収するために、 胃から分泌される内因子という物質が必要です。

昔、胃を切除した患者に現れる原因不明の貧血として、 悪性貧血とも呼ばれていました。

現在ではビタミンB12を筋肉注射することで治療が可能になりました。


3.溶血性貧血
ふつう赤血球の寿命は120日ありますが、何らかの原因によってもっと短い期間で赤血球が壊れてしまう貧血です。

通常の貧血に加えて、黄疸や脾臓の腫大などもあらわれます。


特に多い原因としては自己免疫性の溶血性貧血です。

治療にはホルモン剤を使ったり、脾臓摘出を行ったりします。


4. 再生不良性貧血
指定難病で、 貧血の中でも最も重い種類の貧血です。

赤血球だけでなく白血球も血小板も減っていくので(汎血球減少)、 免疫力が低下して発熱しやすくなり、皮下出血などの出血傾向もみられます。

そもそも血球を作っている骨髄の機能が失われていくので、根本的な治療は骨髄移植になります。


5. 腎性貧血
腎障害による腎臓でのエリスロポエチン産生能の低下による貧血のことをいいます。


治療には、薬物療法や食事療法が行われます。

睡眠障害

睡眠障害は、睡眠の量と質によって様々なカテゴリーに分類されます。


睡眠の異常

1. 不眠症 (インソムニア)

睡眠の量と質の両方が損なわれている状態です。睡眠障害の中で最も多いタイプです。原因としては、環境の変化、心理的要因、身体的要因、薬物などが考えられます。治療には、睡眠導入剤や睡眠薬による薬物療法と、精神療法などの非薬物療法があります。

入眠障害: なかなか寝付けない、 なかなか眠れない状態をさします。
熟眠障害 眠りが浅い、睡眠時間の割りには寝た気がしないものをいいます。
早朝覚醒: 朝早く目が覚めてしまい、結果的に睡眠時間が短縮してしまう状態をいいます。
中途覚醒: 夜中に何度も目が覚めてしまう状態。 中高年に多くみられます。

2. ナルコレプシー(居眠り病)

起床時の急激な眠気(睡眠発作)、笑いや怒りなどの感情で脱力する情動脱力発作、入眠時の幻覚、睡眠麻痺(金縛り)などの症状が出る病気で、15~20代に多く発症します。

3. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠中に10秒以上の無呼吸発作が繰り返し起こる疾患です。無呼吸が頻発すると、睡眠が妨げられ、日中の居眠りを引き起こし、重大な事故(交通事故など)につながる可能性があります。肥満や高齢の男性に多くみられます。

睡眠中に随伴する症状
夜きょう (夜泣き症)
小児が睡眠中に突然起きて泣き叫んだり、恐怖の表情を示す症状をいいます。 成長とともに消失していきます。


夜尿症(いわゆる 「おねしょ」 のこと)
睡眠中に無意識に排尿する症状で、4歳以後の小児につけられる病名です。 こちらも、 成長とともに自然に治ることが多い病気です。

感覚過敏・鈍麻

感覚には、皮膚や粘膜の感覚器からの触覚や痛覚(表在感覚)、骨膜や筋肉、関節からの位置感覚や運動感覚(深部感覚)、内臓感覚などがあります

感覚異常とは、外部からの刺激がない状態で感覚を自覚するもの、逆に刺激がある状態で本来感じるべき感覚とは異なる感覚を自覚するものです。

 

分類
感覚鈍麻: 感覚の減弱や消失によるもの
感覚過敏 : 感覚が強調されて感じるもの
異痛感 (洋服が触れただけでぴりぴりするような感覚) など
蟻走感 (蟻がはっているような感覚) など

障害部位からみた感覚障害の診断

分類 原因 おもな症状や疾患
1. 神経の障害(ニューロパチー)単一神経障害 物理的圧迫、血管炎 正中神経麻痺 (猿手)、三叉神経痛
1. 神経の障害(ニューロパチー)多発神経障害 糖尿病 、抗癌薬の副作用 糖尿病性神経症
2.神経根の障害 脊髄の神経根 (感覚は後根)の障害 椎間板ヘルニア、 後縦靭帯骨化症
3. 脊髄障害 (ミオパチー) 脊髄の障害 脊髄損傷、 多発性硬化症
4. 脳の障害 脳血管疾患 、脳腫瘍 片麻痺

 

運動麻痺

私たちは、まっすぐ歩いたり、線上に文字を書いたりすることができます。

このような当たり前のように行っている随意運動ができなくなることを、麻痺や運動失調と呼びます。

原因は、大脳、小脳、脊髄の異常です

麻痺を分類すると下記のようになります。
完全麻痺: 骨格筋の運動が全くできなくなった状態。
不全麻痺 : 麻痺の範囲が部分的であったり、 運動麻痺の状態が不完全な状態。
単麻痺: 四肢のうちの一肢だけが麻痺を起こした状態。
片麻痺 :右側または左側に麻痺が限局した状態。
対麻痺: 両下肢の運動麻痺。
四肢麻痺 :四肢の運動麻痺。

けいれん

皆さんの中で、子供の頃に熱性けいれんを起こしたことがある方はいらっしゃいますか?

私は寝ている間によく足がつるのですが、これもけいれんの一種です。

けいれんは、全身または体の一部が不随意に収縮することです


けいれんの多くは、子どもの熱性けいれんで起こります。

脳の異常ではないので、脳波は正常で、発作は後遺症なく6歳くらいまでに完全に治まります。

成人では、脳梗塞や脳腫瘍などの脳疾患、代謝異常、電解質異常などが原因として挙げられます


全身痙攣が見られたら、その場を離れず応援を呼んでください。

その後、枕を外し、気道を確保する

嘔吐がある場合は、患者の顔を横向きにすることを忘れないようにする。

呼吸が止まることが多いが、これは数十秒以内に回復する。

無理に口を開けようとせず、気管内挿管の準備をする。

このように、迅速かつ適切な対応が必要ですので、日頃からイメージトレーニングをしておいてください。

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