看護師国家試験出題範囲 目標Ⅱ.看護の対象および看護活動の場と機能について基本的な知識を問う。の『大項目』中に「看護の対象としての患者と家族」があり、『中項目』には今回のタイトルである「家族の機能」があります。小項目として問われる内容は以下のとおりになります。
- 家族関係
- 家族構成員
- 疾病が患者家族に与える心理
- 社会的影響
家族関係
病気で苦しむことは、患者さんの問題だけでなく、家族にとっても大きな危機的状況です。
突然の発病に対して、家族の役割が大きく変化し、バランスが崩れてしまうことがあります。そのため、看護師は家族全員が関わっていることを忘れてはなりません。
病人を介護している家族が疲労やストレスを抱えていると、家族間に感情的な溝が生じることがあります。これは病人にとって不利なことです。逆に、家族の深い信頼と協力の絆に支えられている病人は、病気と闘う意欲を持つはずです。だからこそ、看護師はあらゆる機会をとらえて、家族全員と連携し、サポートすることが大切なのです。
看護師はあらゆる機会をとらえて、家族全員と連携し、支援することが大切です。
家族構成員
令和元年(2019年)国民生活基礎調査によると、世帯数総数は、5,178万5千世帯、世帯構造をみると単独世帯が1,490万7千世帯(全世帯の28.8%) で最も多く、 三世代世帯が262万7千世帯(全世帯の5.1%) と最も少なくなっています。 1世帯当たりの平均世帯人員は2.39人です。 65歳以上の者のいる世帯数をみると2,558万4千世帯となり、全世帯の約49.4% は65歳以上の高齢者のいる世帯です。
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疾病が患者・家族に与える心理・社会的影響
病気は、患者さんやそのご家族にとって、常にストレスや不安、悲観の原因となり、経済的、身体的、精神的に疲弊させるものです。
①疾病は、患者にも家族にも、不安や悲嘆といったストレスを絶えずもたらし、心身共に疲労困憊を生じさせる。
②家族に役割の変更が生じる。
③家族間の情緒に亀裂が生じやすい。
④ 経済的負担が増す。
⑤社会から隔絶されたという孤独感を抱きやすい。
令和元年(2019年)の調査では、 主な介護者をみると要介護者等と 「同居」 が54.4%で最も多く、次いで 「別居の家族等」 が13.6%となっています。
「同居」の主な介護者の要介護者等との続柄をみると、 「配偶者」 が 23.8%で最も多く、次いで 「子」 が20.7%、 「子の配偶者」 が7.5%となっています。
また、「同居」の主な介護者を性別にみると、 男性 35.0%、 女性 65.0%で女性が多くなっています。年齢階級別にみると、男女ともに「60~69歳」が男性28.5%、 女性31.8%と多くなっています。