【必修問題】学童期

広告
【必修問題】人間のライフサイクル各期の特徴と生活

看護師国家試験出題範囲 目標Ⅱ.看護の対象および看護活動の場と機能について基本的な知識を問う。の『大項目』中に「人間のライフサイクル各期の特徴と生活」があり、『中項目』には今回のタイトルである「学童期」があります。小項目として問われる内容は以下のとおりになります。

  • 運動能力の発達、体力の特徴
  • 社会性の発達
  • 学習に基づく行動

学童期とは

学童期とは、一般的に6歳から12歳までの小学生を指し、中学生を含む義務教育期間を「学齢期」と呼びます。
身体的には小学校高学年から思春期を迎える子もおり、学齢期後半には心身ともに性差や個人差が大きくなります。
学齢期後半は、心身の性差・個人差が大きくなり、一人ひとりの成長・発達に応じた対応が必要となる。
そのため、子どもたち一人ひとりの成長・発達に応じた対応が必要です。

学童期のエリクソン発達課題:勤勉性

学校検診

引用元:学校保健についてー文部科学省・厚生労働省

児童の被患率で最も高いのはむし歯(う歯)です

広告

運動能力の発達、体力の特徴

乳幼児期に獲得した全身運動の基礎が発達し、活発な運動と細かい運動ができるようになります。

1.手指の運動

①手首・肩・腕の筋肉運動は急速に発達します。

②字を書く、道具を使う(ナイフや包丁など)などの能力が発達します。

③ピアノを弾くなどの微細な運動能力が発達します。

2.全身運動

①全身の筋力がアップし、運動は活発になります。

②学童中期ごろから運動能力は著しく発達します。

③学童後期では技巧的な遊びができるようになります。

社会性の発達

学童期の社会生活の特徴

社会生活の原型は、友人関係やクラスの集団を通じて形成されます。


小学校1〜2年生:互いに相手を求めつつも、個々でバラバラに行動する。


小学校2〜3年生:クラスメイトの横のつながりが広がる。男女に分けられることが多く、少人数のグループはお互いに閉鎖的である。

小学校3〜4年生:ある者は数人の子供たちにまとわりつき始める。この頃、社会意識が芽生え、階級社会が形成され始めるが、多くの子供たちは孤立している。


小学校5〜6年生:数人のリーダーを中心に、クラス全体が一つのグループとしてまとまる。

各側面での学童期の社会性の特徴

承認欲求学童期前半では、尊敬する大人や学校の先生など、家族以外の重要な他者から認められたいという欲求が強いことが特徴です。学童期後半では、仲間の信念や約束に関心を持ち、仲間から認められたいと思う傾向が強くなります。また、仲間同士で目標に向かって協力し合う傾向も見られます。

道徳性:学校生活の中で、生徒は他人の行動を観察し、模倣し、自分の行動を他人の行動に合わせることで、自分なりの行動基準を設定するようになる。これが、みんながやっていることを善とする規範意識・道徳意識につながり、さらに、結果がよければすべて善とする結果主義的な道徳規範になると言われています。

性差学童期前半は、性的遊びの被害が少なく、異性と集団で遊ぶことができ、お互いの性的分化をあまり意識しない、性的中立の状態であると言われています。学童期後半になると、性意識が高まり、同性の子ども同士で団結し、異性の集団に対して対抗意識を持つようになると言われています。学校などの集団生活の中で、異性をはっきりと意識するようになるが、その性的潔癖性から異性に対する嫌悪感も生まれます。一方で、異性に対する興味や好意も持っており、いじわる、いたずら、意地悪など、子供らしい求愛行動をとるとも言われています。

仲間意識と喧嘩

学童期後半の友人関係では、親しい友人は生活の中で一緒に過ごす時間が長い同級生から選ぶことが多く、自分の性格や好みに合った行動特性を持つ仲間の中から選ぶ傾向が強い。
また、学齢期前半に比べて友人関係が安定しており、クラス替えなど状況が変わっても、接触度が高ければ継続されることが多い。このように、家族以外の人と親密な関係を形成することは、対人関係の発達に重要であると考えられています。

一方で、仲間内の些細なことで決裂したり、反発したりすることも多く、「別れ」と「仲直り」を繰り返すこともあります。
喧嘩の原因としては、自分の物を壊される、勝手に使われるなどの財産的侵害、殴る、押すなどの身体的侵害、遊ばない、出かけない、バカと言われるなどの社会的侵害、弱い者いじめ、嘘をつく、約束を守らないなどの道徳的侵害などがあげられます。子どもが大きくなるにつれて、社会的・道徳的 年齢が上がるにつれて、社会的・道徳的侵害が増加します。

社会性の発達

前述したように、学童期の子どもは、特定の友人や仲間との関係や集団行動を通じて社会性を身につけます。
他人の中に自分と同じ部分を見出したり、違う意見や行動を見ながら、
①自分の感情をコントロールする方法
②仲間との付き合い方、他人を思いやること
③性役割
④他者と協力すること
⑤集団に属しているという帰属意識を持つこと
⑥道徳性
などについて学び、親や家族から自立するためのプロセスを歩んでいきます。

学習に基づく行動

学齢期の脳はまだ発達途上で、精神機能も未分化です。教育現場や友人との関わりの中で何を学ぶかが、発達や行動に大きな影響を与えます。

学業不振は、微小脳機能障害(注意集中障害)の結果であることが多く、多動性、衝動性、情緒不安定、学習障害、忍耐力の欠如などの症状がみられます。また、家庭環境の問題が学業に影響することもあり、不登校は母子分離不安や対人恐怖症などによるものや、チック症と関連することが多いと言われています。チックの症状としては、まばたき、首を振る、口をゆがめる、奇声を発する、首、肩、手、足がピクピク動くなどがあります。

タイトルとURLをコピーしました