【各論】内分泌系

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【各論】内分泌系
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内分泌系

内分泌とは、”内側 “への “分泌 “を意味します。内側とはどこでしょうか?実は、内側とは血管の内側という意味なのです。

私たちの体には、体の外側(涙腺、汗腺など)や内側(消化管など)に分泌する「外分泌腺」と、血管の内側に分泌する「内分泌腺」が存在します。後者のうち、分泌される物質を「ホルモン」と呼びます。

ホルモンは、血流に乗って遠くまで運ばれることもあります。つまり、内分泌系は、ホルモンを分泌する臓器から、それを受け取る臓器への伝達手段なのです。

内分泌系を知る上で重要なことは、(1)ホルモンの名前(2)ホルモンを合成・分泌する器官(3)受け取る(標的)器官(4)ホルモンの役割(5)ブレーキ機構です。
具体的なホルモンを見てみましょう。

視床下部ホルモン

視床下部 (上位中枢) から分泌されるホルモンは、すべてそのすぐ下にある下垂体前葉
に作用します。その結果、下垂体前葉から多くのホルモンが分泌されます。

1. 視床下部

・副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン (CRH)
・甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン (TRH)
・成長ホルモン放出ホルモン (GRH)
・成長ホルモン抑制ホルモン (ソマトスタチン)
・プロラクチン抑制ホルモン (ドパミン)
・性腺刺激ホルモン放出ホルモン (GnRH、 LH-RH)

下垂体ホルモン

下垂体は前葉と後葉に分かれています。

2. 下垂体前葉

成長ホルモン (GH)
骨や筋に作用し、成長を促します。 また、 肝臓を刺激し、 ソマトメジンを分泌させます。
このホルモンも骨や筋の成長に関与します。

・副腎皮質刺激ホルモン (ACTH)
副腎皮質を刺激し、 糖質コルチコイドや電解質コルチコイド、 男性ホルモンの分泌を促します。 ストレスや低血糖によって分泌されます。


・甲状腺刺激ホルモン(TSH)
甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモン (T3 T4)を分泌させます。
構造と機能

・性腺刺激ホルモン(GnTH)
ゴナドトロピンとも呼ばれ、 卵胞刺激ホルモン(FSH) と黄体形成ホルモン(LH) の2つがあります。女性では卵胞の成熟や排卵誘発、黄体の形成に関与し、男性では精子形成、テストステロンの分泌に関与します。

・プロラクチン (PRL)
乳汁の合成や乳腺の発達に関与します。

3. 下垂体後葉

・オキシトシン (OXT)

分娩時の子宮筋 (平滑筋) 収縮作用や、 射乳反射に関与します。

・バソプレシン (ADH)
腎臓の集合管における水の再吸収(血管へ移動)を促し、尿量を減少させるとともに、血圧を上昇させます。

4. 甲状腺

甲状腺は、下垂体前葉からTSHを受け取ると、2種類の甲状腺ホルモン(トリヨードサイロニン[T3]とサイロキシン[T4])を分泌し、基礎代謝を高める。


T3とT4は主にヨウ素で構成されています。検査前にヨウ素の多い食事を摂ると、甲状腺の機能が正しく測定できないため、ヨウ素も制限されます。


また、カルシトニンというホルモンが分泌され、血液中のカルシウムイオンを骨に移動させ、骨の形成に関与しています。

5. 副甲状腺

甲状腺のすぐ後ろにある米粒4つ分の大きさの組織です。

この部分から「パラトルモン」(PTH)が分泌されます。このホルモンは、カルシトニンと逆の作用で、骨組織を溶かし(骨吸収)、血液中のカルシウムイオンの濃度を高める働きがあります。

6. 膵臓

膵臓のランゲルハンス島 (膵島)には、3種類の細胞が存在しています。 つまり、A細胞(α) B細胞 (β) D細胞 (ô) です。 それぞれ、 グルカゴン (血糖値を上げる)、 インスリン (血糖値を下げる)、ソマトスタチン (A細胞とB細胞の調節) が分泌されます。

7. 副腎皮質

・糖質コルチコイド (コルチゾルが代表)
糖新生を促し、免疫抑制作用、ストレスに対応するなどの作用があります。
・電解質コルチコイド (アルドステロンが代表)
腎尿細管において、 ナトリウムイオンの再吸収を促進させます。 結果的に、水の再吸収
を誘発し、循環血漿量を増加させるので、血圧上昇作用があります。

・性ホルモン (DHEA : デヒドロエピアンドロステロン)
デヒドロエピアンドロステロンはアンドロゲンとエストロゲンに変換される。

8. 副腎髄質

ここは交感神経の信号が来ると、 アドレナリンやノルアドレナリンを分泌し、血糖値上昇作用、血圧上昇作用、 気管支拡張作用など、さまざまな反応があらわれます。

9. 腎臓

・レニン
血圧低下時に分泌されます。 レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系に作用することによって、血圧を上昇させます。
・エリスロポエチン
赤血球の造血因子であり、 低酸素状態により分泌が促進されます。

10. 性腺

卵巣
・卵胞ホルモン(エストロゲン)・・・排卵 女性の第二次性徴に関与。
・黄体ホルモン(プロゲステロン) ・・・排卵抑制、 基礎体温上昇作用。


精巣
・男性ホルモンであるテストステロンが分泌され、 男性の第二次性徴に関与。

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