医学用語で脱水症とは、単に水分が失われるのではなく、「体液」が不足することを指します。脱水症状になると、水分不足による血圧の低下、頻脈、尿量の減少などが起こります。
毎年夏になるとニュースで耳にする「脱水症」は、放っておくと命に関わる症状で、大きな注意が必要です。
脱水症は、脱水による血液成分の変化により分類されます。
1. 水欠乏性脱水 (1次脱水)
発汗や水分摂取不足により、水分だけが不足した状態です。
一般的な脱水のイメージです。
体内の水分が減少した結果、体液が濃くなる。この水=濃度が減少するということは、赤血球数、血漿浸透圧(=濃度)、ナトリウム濃度、尿比重など、濃度に関わるすべての数値が上昇することを意味します。
尿量や汗量はその逆です。
このような体の状態を高張性と呼ぶので、水不足性脱水は高張性脱水とも呼ばれます。この脱水は、特に乳幼児や高齢者に多く見られます。
2. 食塩欠乏性脱水
水とナトリウムの欠乏に対して、水だけを補給した結果です。
このように、水不足の脱水とは逆に、体液全体が薄くなることを低張性脱水ともいいます。
もちろん、血液や尿も薄くなります。
3. 混合性脱水
下痢や嘔吐により、水とナトリウムの両方が失われることで起こる脱水症状。
等張性脱水とも呼ばれる。
この場合、水分だけを補給すると症状が悪化するため、症状に応じて様々な輸液が用いられます。